霧島東神社(きりしまひがしじんじゃ)

霧島東神社社殿

霧島東神社(きりしまひがしじんじゃ)

神話とのゆかり

霧島東神社は国生みの神「伊弉諾尊(イザナギノミコト)」と「伊弉冉尊(イザナミノミコト)」が主祭神として祀られています。
この世が天と地に分かれ始めたころ、イザナギとイザナミは、天界(高天原=たかまがはら)に住む別天つ神(ことあまつかみ=最初に生まれた神々)から「天の沼矛(アメノヌボコ)」を渡され国を創るよう命じられます。
二柱の神が天浮橋(あめのうきはし)に立って混沌とした海を天の沼矛でかき混ぜ引き上げたところ、滴り落ちたものが積もって淤能碁呂島(おのごろじま)ができました。島に降り立った2柱はそこで結婚し、大八島(おおやしま)、現在の淡路島・四国・隠岐・九州・壱岐・対馬・佐渡島・本州の順に造っていったと伝えられています。
高千穂峰(1574M)の山頂には「天逆鉾(あまのさかほこ=天の沼矛の別名)」が立てられており、霧島東神社はその山頂を飛地境内として、天逆鉾を社宝として祀っています。
  ※一般的に天逆鉾は、記紀に登場する天沼矛の別名と解釈されていますが、諸説あります。

>>>宮崎神話が5分で理解できる簡単解説ページ
神社入り口の鳥居 神社入り口の鳥居

神社の由緒

宮崎県高原町の高千穂峰の中腹(標高500M)の高台に鎮座し、第10代崇神天皇(前97-前30)の御世に創建されたと伝えられています。
霧島東神社は、火山地帯である霧島山の山岳信仰の霊場で、西暦950年ごろに天台宗の僧侶性空上人が神社のかたわらに別当寺である錫杖院を建立し開かれた六社権現のひとつでもあります。西御座所之宮と呼ばれた鹿児島県の霧島神宮に対して霧島山大権現東御在所之宮と称され崇敬を集めた神社です。
度重なる霧島山の噴火によって幾度も焼失・再建を繰り返していますが、現在の社殿は1722年(享保12年)に造営されたもので、直近では1997年(平成9年)に改修されています。
主祭神は、伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉冉尊(イザナミノミコト)で、高千穂の峰の山頂の天逆鉾を社宝とし、夫婦円満、子宝、子孫繁栄などのご利益があるとされています。その他にも商売繁昌や厄除け、無病息災など広くご利益を授かることができます。

>>六社権現とは
神門 拝殿入り口の神門

みどころ

竜神が潜む御池(みいけ)

霧島東神社の参道から見える湖が御池です。約4,600年前のマグマ水蒸気噴火によってできた湖で、その大きさは、都城市と高原町にまたがり、直径1km、周囲3.9kmほどあります。水深は最も深いところで約100mを超え、日本で一番深い火山湖です。
昔この地を開いた性空上人が御池のほとりで修業をしていたとき、九頭の神龍が現れ宝珠を渡したと言い伝えられています。また、神武天皇が幼少期に水遊びをしたという伝承も残っていて、周辺の土地の名前にその名残をとどめています。

御池 竜神が棲むといわれる「御池」

忍穂井(おしほい)

鳥居をくぐった先に神龍の泉(忍穂井)と呼ばれる井戸があります。 「この池は龍神の安息池にして太古より霊泉として効験あらたかなり されど東方よりこの池に女人の影が映ずれば 忽 (たちま)ち異変ありと伝へらる (一名 鏡井ともいう)」と記されていて、女性は泉をのぞき込んではいけないと言われています。
また、「古来、神龍安息の池にして、霧島四十八池中、御池と陰陽の対をなす霊泉とされる。 再拝の念を以って汲み出だしたる神水は、些かも不敬の扱いあるべからす。」とも記されています。

忍穂井 神龍の泉(忍穂井)

性空上人像

霧島東神社駐車場入り口の横にある性空上人の石造(平成18年建立)。
性空上人は天台宗の僧で、西暦900年代に霧島山周辺に高千穂の峰を仰ぐ山岳信仰の修験者の拠点として霧島東神社を含む霧島六社権現の整備をされました。
また、神門手前の参道横に性空上人の開山念碑と錫杖院(しゃくじょういん)墓地があります。

>>霧島六社権現とは

性空上人像 性空上人像

社宝天之逆鉾(あまのさかほこ)と石碑

高千穂峰の山頂にある天之逆鉾はここ霧島東神社の社宝で、月に一度高千穂の峰に登り、礼拝しているそうです。日本で最初に新婚旅行をした人物とされる坂本龍馬がその新婚旅行で妻のおりょうとこの天之逆鉾を抜いたという話は有名です。社宝の「天之逆鉾」をご覧になりたい方は高千穂の峰を登らないといけません。高千穂の峰は標高1574mの山で、霧島東神社のすぐ横に登山口がありますが、傾斜がきつく初心者には向かないため、鹿児島県側の高千穂河原ビジターセンターからの登山をお勧めします。距離は往復でおよそ5km、高低差は600mほどで、往復3時間半ほどで登れます。
拝殿の左手には天之逆鉾の石碑があります。その昔、社宝の天の逆鉾が山頂から持ち出されたことがあったそうです。逆鉾は取り戻したものの、持ち出した男は突如行方不明になりました。人々は逆鉾が自らの意思で降りてきたとして、石で複製の逆鉾を作り祀ったそうです。

社宝天之逆鉾 高千穂の峰にある社宝「天之逆鉾」 天之逆鉾の石碑 天之逆鉾の石碑
happyencounter

天孫降臨の地の真相

宮崎県には天孫降臨の地について、高千穂町の「槵觸神社」と鹿児島県との県境にある霧島山の「高千穂の峰」の二説あります。それぞれに信憑性のある地名などが残っていて昔から議論が絶えません。それぞれに訪れてみて、真相を確かめてみてください。
高千穂町のくるふし神社は、古事記の中で「筑紫の日向の高千穂の久士布流多気に天降ります」と記される「くるふし山」に鎮座します。また、周辺には天岩屋戸の物語の「天岩戸神社」もあります。
>>>高千穂町の槵觸神社(くしふるじんじゃ)
>>>天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)

もっと詳しく知りた方は書籍を紹介しますので調べてみてください。

御朱印

霧島東神社の御朱印です。初穂料は300円で、拝殿手前の参道横の社務所で頂けます。受付の時間は9:00~17:00となっています。

霧島東神社の御朱印 霧島東神社の御朱印
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アクセス

比較的わかりやすい場所にあります。宮崎県側、鹿児島県側ともに「霧島バードライン御池線」を御池方面へ向かってください。鹿児島方面からは御池を過ぎたところ、宮崎方面からは御池の手前に入り口があります。道路に「霧島東神社」「御池キャンプ場」などの案内板があるのですぐわかると思います。わき道に入ると急な上り坂が続きますが車で7~8分ほどで着きます。

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