霧島山の巨石信仰と北斗七星のミステリー

巨石信仰のイメージ

霧島山の巨石信仰と北斗七星のミステリー

霧島山の巨石信仰と北斗七星

霧島山周辺は山岳信仰など自然崇拝が盛んで、何度も噴火する霧島山に神が宿るとして崇敬し、修験道も盛んにおこなわれていました。その中で巨石信仰の対象となった磐座(いわくら)の遺跡がいくつか残っていますが、これらを結ぶと北斗七星を正確に写し取った形になります。北斗七星は柄杓の形をしていますが、杓の部分にはちょうど御池が入り、高千穂の峰の噴火を御池の水をかけて消すような配置になっていて、自然崇拝の神秘的な力を感じます。

北斗七星をかたどる7つの場所は、①高台にある、 ②磐座がある、 ③高千穂の峰が見えるという共通があります。

そして、この7つの磐座を1日で回ると願い事が叶うことなので、実際に行ってみました。パワースポット巡りとして1日で回れるいいドライブコースでしたので、この記事を読んだらぜひ行ってみてください。
※以下の順番で回ると良いとされています。

  1. 住吉神社(曽於市末吉町)
  2. 金峯神社(曽於市財部町)
  3. 母智丘神社(都城市横市町)
  4. 池之原(都城市山田町)
  5. 東霧島神社(都城市高崎町)
  6. 霞神社(高原町)
  7. 皇子原神社(高原町)
※所要時間や滞在時間は目安です。ドライブプランのの参考にしていただけると幸いです。

霧島の磐座北斗七星

住吉神社(すみよしじんじゃ)

まず最初に訪れたのは鹿児島県曽於市末吉町の「住吉神社」(到着10:30 滞在時間20分 宮崎市内から車で約1時間20分(宮崎IC~都城IC経由) 移動距離約60km)
小高い山の上に鎮座する住吉神社は入り口が少しわかりづらいです。裏手に回り込むと鳥居の横の駐車場まで車でい行けました。

住吉神社鳥居

鳥居をくぐると拝殿まで続く一直線に上る階段が見事です。階段を上ると、表情がかわいい狛犬に守られた拝殿があります。住吉神社の祭神はイザナギの命が黄泉の国から戻った時に禊をしたときに生まれた住吉三神です。また、毎年11月に行われる流鏑馬行事は鹿児島県の指定文化財になっています。

拝殿へ続く階段 住吉神社拝殿

目的の磐座は拝殿に向かって左手からさらに山を登っていくとあります。上り口からおよそ50~60mほどの距離ですが、足元が悪いので滑りにくい靴や夏場は虫対策もしておいた方が安心です。
磐座は「姥石(うばいし)」と呼ばれる巨石で、考古学者の鳥居竜蔵博士によって1930年(昭和5年)に発掘され、この場所が古代の宗教的な殿堂御神体の安置所であったのではないかと考えられています。

姥石 姥石全体

アクセス

金峯神社(かねみねじんじゃ)

次に訪れたのは同じく曽於市財部町の「金峯神社」(到着11:15 滞在時間10分 住吉神社から車で約25分 移動距離約13km)
住吉神社から向かうと、近くにある「コケキャンチ高之峯公園」まではスムーズに行けますが、それから先は道が狭くなっていて、車同士の離合もできませんし、駐車場もないので、この公園の駐車場に車を止めて向かわれた方がいいと思います。駐車場からは100mほどです。

金峯神社

金峯神社は狭い道路の脇にコンパクトなサイズで鎮座する神社で、御祭神はイザナミの命が火の神を生んだ時のやけどの痛みに苦しんで嘔吐したものから生れた「金山毘古神(かなやまびこのかみ)」と「金山毘売神(かなやまびめのかみ)」です。金運隆昌、災難厄除けなどのご利益があります。

案内板

目的の磐座は拝殿に向かって右側にあります。約2メートルほどあるこの巨石は、「蛇王権現(じゃおうごんげん)」と言われており、大蛇の霊が祀ってあるそうです。その昔、近くの帝釈池に住む大蛇が尻尾でたたき割ってその割れ目に姿を消したと伝えられていて、縦に真っ二つにきれいに割れています。この巨石を自分の年齢の数だけ撫でると、家内安全、無病息災のご利益があると言われているそうです。

巨石蛇王権現

アクセス

母智丘神社(もちおじんじゃ)

3か所目は宮崎県都城市の「母智丘神社」(到着11:45 滞在時間20分 金峯神社から車で約20分 移動距離約9km)
桜並木が有名な母智丘公園内にありますが、公園駐車場ではなくゴルフ場の方へ回ると神社の横に駐車場がありますのでそちらを利用した方がいいと思います。長い階段を進みたい方は公園駐車場から向かわれるのも趣があっていいと思います。

鳥居

母智丘神社の御祭神は、豊受毘売神と大年神で二柱とも農耕の神であり、五穀豊穣、商売繁盛、子孫繁栄、安産の神として崇敬されています。また、本殿裏手の方へ回ると巨石を御神体とする石峰稲荷神社があり、こちらも商売繁盛、豊作、無病息災などのご利益があります。

母智丘神社拝殿

目的の磐座は、巨石群となっていていくつもの巨石があり、古くから信仰の対象となっていたようです。
巨石群は、「陰陽石」、「割裂神石」、「ワニ石」などさまざまな形で祀られており、安産や縁結びの神石や稲荷神社の御神体となっているものもあります。
「割裂神石」は東霧島神社の神石の一部と言われていて、磐座北斗七星のつながりを感じさせられます。

陽石 陰石 割石

アクセス

池之原(いけのばる)の丸山

4か所目は都城市山田町の「池之原の丸山」(到着12:30 滞在時間5分 母智丘神社から車で約15分 移動距離約10km)
ここは神社はなく平地にぽつんとある古墳のような丸山です。場所は池之原公民館の裏手になりますので、池之原公民館を目指して行かれるといいと思います。以前はこの丸山の頂上に磐座が祀ってあったそうですが、近所の人が持ち帰ったようです。現在もその方の家に岩はあるそうですが確認はできませんでした。その後岩があった場所に祠を建てたそうです。祠についても私有地のため入って確認することができませんでしたが、外から屋根の一部を確認することができました。ただ、現在山を切り崩す工事をしていて、今後祠が維持されるのかどうかは分かりません。

丸山 頂上の祠

アクセス

<小休憩>

時間も12時を過ぎましたので、ここら辺でお昼休憩にしたいと思います。周辺でおすすめの古民家カフェを紹介しますので、興味がある方はこちらもご覧ください。
○古民家カフェ「TAKAZAKI PICNIC」(高崎ピクニック)
アメリカの西海岸で約30年にわたりレストランに携わってきた都城出身のオーナーが、日本へ戻り2021年に開業したおアメリカンスタイルのカフェレストランです。<「池之原の丸山」から車で15分、距離約10Km>

東霧島神社(つまきりしまじんじゃ)

5か所目は都城市高崎町の「東霧島神社」(昼食を1時間ほどとって到着14:00 滞在時間30分 池之原の丸山から車で約12分 移動距離約8km)
東霧島神社は霧島山の山岳信仰の中でも六社権現の一つに数えられる由緒ある神社で、大きな鳥居と駐車場があるので分かりやすいです。
>>>六社権現とは

鳥居

神社は本殿は石造りの階段「鬼磐階段」を上ったところにあります。御祭神は「伊弉諾尊(イザナギノミコト)」で、中世より厄除開運の権現様として親しまれています。
また脇社には、妻である伊邪那美の尊(イザナミノミコト)が亡くなる原因となった火の神「火之迦具土神(ヒノカグツチ)」が祀ってあります。こちらは愛宕権現と呼ばれ、防火・鎮火の御利益があり、火難や盗難など災厄を払ってくれる神様として信仰されています。
>>>東霧島神社(つまきりしまじんじゃ)

本殿 鬼磐階段

目的の磐座は、本殿に向かう参道の途中の左手にあります。この岩は、イザナギが妻であるイザナミを失ったとき、その悲しみの涙が固まってできたと伝えられています。今後このような災難を世の人々が遭わないようにと願いを込めて三つに切られたと伝えられています。実際に岩は二つしかなく、そのもう一つが母智丘神社の「割裂神石」と伝えられています。岩を切った「十握の剣(とつかのけん)」はここ東霧島神社の社宝として社殿に納められています。

神石

アクセス

霞神社(かすみじんじゃ)

6か所目は高原町の「霞神社」(到着14:50 滞在時間20分 東霧島神社から車で約20分 移動距離約13km)
こちらの神社も参拝者が多い神社で、途中に看板があったり、大きな鳥居と駐車場があるので比較的わかりやすいと思います。ただ、長い階段を登らないといけないので覚悟は必要です(笑)その代わり、神社までたどり着くと眺めは最高です。
また、霞神社には「白蛇」が祀られていますが、神社一の鳥居の横にある「白柳神社」の 白蛇と霞神社は関係がないということですので、ご注意ください。

鳥居

霞神社の御祭神は、大国主命、火彦名命、保食命(豊受姫命)で、古くから農業、畜産、疾病、縁結、開運、商売繁盛のご利益があると言われています。拝殿前にはお香台が置かれていて神仏習合名残が感じられます。また、社殿後方の岩場には白蛇が棲息していて、この白蛇を見ることができた人には幸福が訪れると言われています。

拝殿

目的の磐座は、拝殿横を通り抜け奥へと進んでいくと、断崖絶壁といった眺めのいい場所にあります。岸壁の前には祠が建ててあり、祠の向こう側に御神体の磐座があります。この山頂の磐座に棲息する白蛇様は五色の蛇と伝わっていて、この蛇が保護色であるためいくつもの体色を表し、時に岩の白色に反応して白くなった姿を現すことが白蛇様の由来となっているようです。

磐座の祠 磐座の遠景

アクセス

皇子原神社(おうじばるじんじゃ)

最後に訪れたのは同じく高原町の「皇子原神社」(到着15:30 滞在時間10分 霞神社から車で約20分 移動距離約13km)
皇子原神社は町が整備している皇子原公園の敷地内にあります。道路上に案内板も多く出ているので、皇子原公園を目指して行くと迷うことはないと思います。
車は皇子原公園の管理事務所があるメイン駐車場に止めるとすぐ隣に鳥居があります。園内地図の看板もありますので現在地を確かめて向かってください。

鳥居

皇子原神社の御祭神は初代天皇の神武天皇で、ここは生誕の地と伝えられています。また、母である玉依姫の命が神武天皇をご出産された産屋跡とも伝えられていて、安産や子育てにご利益があると言われています。
皇子原神社は神武天皇が幼少期を過ごされた「狭野神社」の元宮でもあります。
※詳しくはこちらもご参照ください
>>>皇子原神社(おうじばるじんじゃ)
>>>狭野神社(さのじんじゃ)

拝殿

産婆石

アクセス

霧島の磐座北斗七星めぐりのまとめ

今回のドライブコースは宮崎を9:00に出発して霧島の磐座北斗七星の7か所を回って宮崎へ17:00に帰って来ました。実際はもっとゆっくり観光するのでもう少し時間がかかると思います。所要時間8時間、移動距離約200kmでした。

※※モデルコースとして以下を参考にしてみてください※※
宮崎市出発(9:00)→ → <宮崎IC--- 都城IC>→ → 住吉神社(10:30 移動時間1時間30分)→ → 金峯神社(11:15 移動時間25分)→ → 母智丘神社(11:45 移動時間20分) → → 池之原の丸山(12:45 移動時間15分)→ → <昼 食(1時間程度)> → → 東霧島神社(14:00 移動時間12分)→ → 霞神社(14:50 移動時間20分)→ → 皇子原神宮(15:30 移動時間20分)→ → <都城IC---宮崎IC>→ → 宮崎市着(17:00 移動時間約1時間)
※所要時間は目安です。道路状況によって変わります。

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