霞神社(かすみじんじゃ)
霞神社(かすみじんじゃ)
神社の由緒
創建は不詳ですが、紀元10世紀頃に天台宗の高僧性空上人により開山された霧島山周辺は山岳信仰の修験道場として盛んであり、霞神社もその一郭に修験者の縄張りとして修験者達の行動域に組み入れられていたと思われます。(「霞(かすみ)」は、修験道の用語で「縄張り」を意味するとされています。)また、旧藩時代領主の島津家からの信仰も篤く度々鹿児島より神司を遣わし祭祀を執りおこなったことが記録に残っています。
御祭神は、開運神の大己貴命(大国主命)、薬神の少彦名命、稲荷神の保食命(豊受姫命)の三御柱が祀られており、霞権現とも称され古くから農業、畜産、商売繁盛、縁結びなどの神様として親しまれています。
鎮座地は山の頂上を切り開いた所にあり、御本殿裏の岩山には白蛇様が姿を現し、拝したものは神縁を得て幸福になるとされています。白蛇様は霧島六所権現の使神とされており、六所権現参りを行う修験者は必ず霞権現に参拝し修行の無事と世の安泰を祈願したと伝えられています。
みどころ
700段の石段が続く表参道
霞神社へ参拝するには700段の石段を登っていく表参道と途中まで車で行ける東参道の2通りがあります。霞神社を深く参拝したい方はぜひ表参道から約700段ある石段を登って参拝してみてください。石段がきついという方は東参道をおすすめします。ただ、東参道も200段ほどの石段を登って行くので覚悟は必要です。
表参道の立派な鳥居をくぐると本参道入口と書かれた木の看板があり、その先には木で覆われた薄暗い森の中を石段がひたすら長く続いていて、昔の修験道を思わせるような光景です。実際に何段あるか数えながら登っていくと疲れも紛れると思います。
ちなみに、鳥居の傍らにそびえていた樹齢500年の御神木は2018年9月の台風24号によって倒木してしまいました。今は倒木した御神木の根元の切株を残すのみとなっています。
神仏習合の名残ある境内
石段を登て行くと山の頂上が境内となっています。神門をくぐると仏教の線香を炊く香炉と神道のロウソクをたてる燭台が置かれた御堂があり、神仏集合の作法がそのまま残っています。神仏混淆の修験道は七世紀頃に始まっており、霞神社は狭野神社の別当寺としての歴史もあります。また、「霞権現」の名前や、石碑などにその名残を確認することができます。
本殿と拝殿は流造りで、壁や柱の鮮やかな朱色と窓枠や飾り彫刻の水色のコントラストが見事です。
神蛇祠(奥の院)
本殿の脇を過ぎてさらに奥へ進むと山頂の開けたところに白蛇様が住む磐座を背にして神蛇祠が建てられています。祠の背面の岩の割れ目に時として白蛇が姿を現すことがあるそうで、その姿を拝することができれば幸運に恵まれるとされています。
この白蛇様は霧島六所権現の使い神として、御祭神とは別に祀られており、かつては六所権現参りを行う修験者は、はじめに霞神社に参拝し修行の無事と世の安泰を祈願したと伝えられています。
(霞神社に「入り口で白蛇をみせている店と当神社は関係ありません」と書かれた看板をいくつか目にしますが、東参道の鳥居横で白蛇を見せたり占いなどを商売としているお店のことです。個人的には神聖な気持ちで霞神社へ参拝したならば立寄らない方がいいと思いました。)
馬頭観音
馬頭観音は仏教における信仰対象の菩薩で牛・馬・家畜の安全と成長を守る神様とされています。伝説上の宝馬が勢いよく草を食べ一切の障害を乗り越え、様々な悪を食い尽くし、願いごとの全てが成就したところに由来すると言われています。
霞神社の馬頭観音は、三国名勝図会に「入来村、霞岡にあり。祭神詳ならず。本地馬頭観音なりといふ。」と記されており霞神社の本地となっています。これも神仏習合の名残と思われます。
馬頭観音と一緒に農業の神様として豊受神社も祀られています。
展望台
神蛇祠、馬頭観音を過ぎてさらに奥へ進むと展望台があります。展望台からは辺り一面が見渡せます。表参道を登ってこられた方は、入り口の大鳥居が見えますので探してみてください。
霞神社は山岳信仰の修験道とのかかわりが深く、山全体を御神体としていて切り開かれた山頂の切り立った崖の上に鎮座しています。下から見上げる神社の景観と神社から見おろす景観が素晴らしいです。
御朱印
神社境内の拝殿横の販売所で頂けます。受付は午前9時から午後4時半までです。
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アクセス
宮崎自動車高原インターチェンジから約6km、車で15分ほどの距離にあります。ややわかりにくい場所にあるので、カーナビや地図アプリなどを利用して行かれることをおすすめします。
駐車場は表参道と東参道の2か所にあります。一般的には東参道の駐車場を利用されると良いと思います。下の地図は東参道を案内しています。
霞神社を深く参拝されたい方は表参道からのご参拝をおすすめします。東参道から本殿を挟んで丁度反対側にあります。(表参道の地図はコチラ)