東霧島神社(つまきりしまじんじゃ)

東霧島(つまきりしまじんじゃ)神社

東霧島神社(つまきりしまじんじゃ)

神話とのゆかり

東(つま)霧島神社はイザナギノミコトとゆかりが深い神社です。
地上の国を創造したイザナギとイザナミは結婚し、さらに国を豊かにするためにあらゆる神々を生み出しました。その中で私たちの生活にもっとも大切な「火」を生み出したとき、つまり火の神である火之迦具土神(ヒノカグツチ)を生んだとき、イザナミは火傷を負ってそれが原因で命を落とすことになります。
最愛の妻を亡くしたイザナミは嘆き悲しみ、そのときに流した涙が固まって「神石」ができました。そしてイザナギは、今後地上の人々がこのような災難に遭わないよう、腰に帯びた「十握の剣」でこの「神石」を3つに切り落としたそうです。
現在「十握の剣」は東霧島神社の神宝として厄除け・魔除けの神となり、御社殿に納められています。また、火の神の火之迦具土神(ヒノカグツチ)も本殿の脇で祀られています。
 ※「十握の剣(とつかのつるぎ)」とは、10束(束は長さの単位で拳1つ分)の長さの剣で、固有名詞としての「十握の剣」ではなく、長剣の一般名詞であると考えられています。

>>>宮崎神話が5分で理解できる簡単解説ページ
切られた神石 十握の剣で切られた「神石」

神社の由緒

宮崎県都城市高崎町にある六社権現のひとつで、第五代孝昭天皇の御世に創建されたと伝えられています。その後、霧島山の噴火により埋没した神殿を修験道の僧「性空上人」によって応和三年(西暦九六三年)に再興されました。主祭神は、日本の国造りの神「伊弉諾尊(イザナギのミコト)」で、中世より厄除開運の権現様として親しまれています。
神社名の「東」は「つま」と読みますが、もともとは、神様が集まる場所として「あずま」と呼ばれていたそうですが、霧島山の東の端(つま)にあるということで「つま」と呼ばれるようになったそうです。

>>六社権現とは
神社の鳥居 一の鳥居

みどころ

鬼磐階段(おにいわかいだん)

社殿までの通りにあるこの階段には伝説があります。
その昔、この土地に住む鬼が村の民の娘を気に入り嫁にもらうと言い出しました。困った村の民は守り神である霧島の神様にお伺いを立てました。すると神様は鬼に「この神殿に通ずる階段を一夜にして一千個の石を積み上げたならば、娘を嫁にやる。もし、できなければこの地を去れ」と伝えました。ところが、怪力の鬼たちはあっという間に石段を九百九十九個まで積み上げました。慌てた霧島の神は、東の空を明るくし鶏を鳴かせ、鬼に夜明がきたと思わせ退散させたそうです。
この石階段は鬼磐階段と言われていますが、別名を「振り向かずの坂」とも言われており、この階段を振り向かずに、心を込めて願い事をとなえながら登りきると願い事が叶うと言われています。

鬼磐階段 鬼磐階段 振り向かずの坂 振り向かずの坂

龍神太鼓

御宝前の竜神太鼓は、一年の家庭の幸福願ってを3度叩くと良いそうです。

龍神太鼓 竜神太鼓

龍の枝

鬼磐階段を登り切った先にある神門の隣には樹齢400年の杉の木が立っており、その枝に龍神が権化したと思われる枝があります。現在は台風により木は倒れてしまいましたが、その枝は神門の下に保管されていて見ることができます。

龍の枝 龍の枝

樹齢1000年の大クス

樹齢1000年とも言われる大クスは、本殿へ登る石段の左側にたっています。根元が張り出し空洞になっています。この洞をくぐり、右に3回、左に3回めぐり、乳水・龍神水をいただくと無事出産安全であり、病魔を払い、良き運が授かるそうです。

大クス 樹齢1000年の大クス

竜王神水

竜王は絶大なる幸運・開運・厄除けの力を発揮する守り神として敬われています。この世で遭遇するさまざまな苦悩から衆生を救うために東霧島大権現宮のゆや谷に鎮座し霊水を下されています。竜王神は洗心浄代の霊験あらたかで吉祥を授け人々を守護する神秘性をもっていますので、商業の人は銭を洗い身に納め、病の人は霊水をいただくとよいとされています。

竜王神水竜王神水が湧き出る井戸 竜王神水(2024年の辰年に金色に塗り替えられました)

火の神(火之迦具土神)

イザナギにより切り殺された火の神の火之迦具土神(ヒノカグツチ)が愛宕権現と呼ばれ、本殿脇で祀られています。
愛宕権現は防火・鎮火の御利益があり、火難や盗難など災厄を払ってくれる神様として信仰されています。

愛宕神社 御祭神「火之迦具土神」の愛宕神社

東霧島神社の神石

冒頭「神話とのゆかり」でお伝えした通りイザナギノミコトが「十握の剣」で切ったとされる神石です。伝説では三段に切ったとされており、残りのもう一つの石は都城市の母智丘神社に「割裂神石」として残っています。
近年では人気のアニメ「鬼滅の刃」に出てくる巨石のモデルとなったと言われ注目を浴びています。

東霧島神社の神石東霧島神社の神石

故有谷の乳水(ゆやたにのちちみず)

神石がある故有谷に祀られている伊弉冉神社(いざなみじんじゃ)は別名「産婆祖母様(うばみおやさま)」とも呼ばれ、本殿へお参りするのが難しい妊婦の方がこの伊弉冉神社へ参拝し、大楠を右に三回、左に三回巡って祈り、故有谷の乳水を飲んで帰れば安産であると言い伝えられています。

故有谷の乳水故有谷の乳水

役割玉

赤・青・黄・緑・黒の5種類のそれぞれ意味のある玉の穴に自分の中にある悪い気を吹き込み、奥にある「厄割り石」に投げつけて自身の災いやうっぷんを払います。
赤玉は強い欲望、青玉は怒りや憎しみ、黄玉は心の動揺や後悔、緑玉は倦怠や不健康、黒玉は愚痴やストレスを払います。玉は社務所前のおみくじ授与所で購入できます。
<厄割りの作法>
・厄割り石の前で一礼
・役割玉の穴に悪い気を吹き込みます
・厄割り石に全身全霊を込めてぶつけます
・割り終えたのち一礼
※玉は衝撃があると粉々になるので、強く握ったり落としたりしないよう気を付けましょう

役割玉役割玉

東霧島の梵鐘

高さ100.2㎝もある青銅製の鐘で、島津家代18代当主の島津家久が東霧島神社へ奉納したものです。鐘には御神宝である十握の剣の文様彫られており東霧島神社と島津家のつながりを示す貴重な飼料として宮崎県の有形文化財にも指定されています。
現在は梵鐘にひびが入っており、ついたり触ったりできないよう木の柵で囲われて中に入れないようになっています。

東霧島の梵鐘東霧島の梵鐘

高崎大師堂

昔この地で厳しい修行を積んだ僧の慰めるとともに不動明王・大日如来・空海弘法大師上人の遺徳を偲ぶものです。毎年8月最後の日曜日には例祭ご縁日祭が行われます。悪行を焼き尽くし、厄を祓い、願い事が叶うよう祈念する儀式で、神仏混交の名残ある祭りです。

高崎大師堂高崎大師堂 御堂の内部御堂の内部

御朱印

東霧島神社の御朱印です。他にも限定の御朱印が時期によって色々あります。
初穂料は500円で、神社入り口の社務所で頂けます。受付の時間は8:30~16:30となっています。

東霧島神社の御朱印 東霧島神社の御朱印
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神社の概要

住  所:宮崎県都城市高崎町東霧島1560番地イ
電  話:(0986)62-1713
御 際 神:伊弊諾尊(いざなぎのみこと)
     天照大御神(あまてらすおおみかみ)
     瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)
     天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)
     彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)
     鵜葺草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)
     神日本磐余彦尊(かむやまといはれひこのみこと)(神武天皇)
御 神 徳:国家御守護・開運・福寿・治病・航海・縁結び・安産
創  建:孝昭天皇の御代

アクセス

ややわかりにくいところにあります。カーナビや地図アプリを使っていくことをお勧めします。国道221号線を進み高崎町に入ると、案内板等はありませんが「ひむか神話街道」という道が横切っていますのでその交差点を西に進んでください。(都城方面からは左折、小林方面からは右折)そのまま道なりに車で5分ほど走ると、高速道路、JR吉都線を超えてUターンしながら線路沿いの道に出ます。看板が出ていますが右折するとすぐにあります。

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