祇園神社(日南市)~龍が潜む洞窟の神社

祇園神社(日南市)

祇園神社(日南市)~龍が潜む洞窟の神社

神社の由緒

もともとは自然にあった洞窟を龍神信仰の対象として「龍穴」と呼び、竜神様を祀っていたようです。大正13年に油津に赴任した宮崎鉄道管理所長の星野寅二氏により洞窟の奥に社殿が建てられました。社殿が置かれている場所はその時に30名の石工により掘られた人工洞窟部分です。
御祭神は、素蓋鳴命(すさのおのみこと)と妻の櫛名田比売(くしなだひめ)で、疾病(特に腹痛など)除け、厄難除けの守護神で、航海安全、商売繁盛、五穀豊穣、縁結びの神様です。また、本殿の手前左右には、素蓋鳴命が退治した龍神「八岐大蛇(やまたのおろち)」と水神「水波女命(みずはのめのみこと)」が祀られています。
洞窟内部には龍神様が顕現したと思われる岩や「龍の寝床」と呼ばれる長さ33m、幅2m、高さ3mの小洞窟などがあります。

龍穴にある祇園神社龍穴にある祇園神社

みどころ

洞窟の中の本殿

祇園神社の本殿は洞窟の中にある珍しい神社で、大正13年に星野寅二氏らがもともとあった洞窟の奥に新たに洞窟を掘り、社殿が建てられています。宮崎県内で洞窟の中にある神社は鵜戸神宮天岩戸神社にある天安河原などが有名です。
本殿には素蓋鳴命とその妻櫛名田比売が祀られており、厄難除けの守護神として広く親しまれています。

洞窟の中の本殿洞窟の中の本殿

本殿手前の龍神様と水神様

本殿手前の左手に竜神様、右手に水神様が祀られています。竜神様は八岐大蛇で、神話では稲田姫命をさらい素蓋鳴命に退治されています。八岐大蛇は水を支配する龍神で、櫛名田比売は稲田を表しており、氾濫した川が稲田を飲み込む様子が神話では擬人化されています。退治されたのは素蓋鳴命よって治水工事がなされたことが擬人化されていると思われます。
水神様は水波女命で、伊邪那美から生まれた古い神様です。水の神様として農業・林業・漁業などを守護し、五穀豊穣・大漁祈願などの願いを込めて信仰されています。

龍神様龍神様 水神様水神様

龍神「八岐大蛇」の岩

洞窟内にある天井から垂れている大岩で、竜神様が顕現された姿と思われます。竜神様は触られるのが好きということで撫でると良いとされています。(苔などが付着していますので触ると手が汚れますのでご注意ください)
撮影して写真で見ると、現地で見た時と色合いが違い神秘的な感じがします。

龍神「八岐大蛇」龍神「八岐大蛇」

竜神様の顔

洞窟内から入り口を振り返ると頭に角が生えた竜神様のシルエットが浮かびます。このシルエットは、祇園精舎の守護神「牛頭天王」とも言われています。牛頭天王は神仏習合の神様で素蓋鳴命と同一視される神様です。

竜神様の顔竜神様の顔

龍の寝床

大正13年の竣工の際に発見された全長33m、幅2m、高さ3mの小洞窟で「龍の寝床」と言われています。本殿に向かって右側からきれいに整備された小道が洞窟入り口まで繋がっています。小道の両脇には水が湧いていて、水量が多い時は小道が完全に浸かってしまうこともあります。洞窟入り口付近では角度により大御神社のように昇り龍が見えます。

龍の寝床龍の寝床 昇り龍龍の寝床から見える昇り龍

周辺のおすすめの宿

アクセス

祇園神社は比較的わかりやすい場所にあります。宮崎市内から日南海岸を通る国道220号線を進み、日南市街地へ入る手前の広渡川河口に架かる広渡大橋を左折(海の方)します。すぐに道路右手に鳥居が見えてきます。鳥居を通り越して50mほど進むと右手に駐車場があります。
日南市方面からは、広渡大橋を渡らずに右折してください。

▲PageTop