榎原神社(よわらじんじゃ)

榎原神社(よわらじんじゃ)

榎原神社(よわらじんじゃ)

神社の由緒

縁結びの神様が宿るパワースポットとして知られる榎原神社。創建は、西暦1658年(万治元年)で、第三代飫肥藩主の伊藤祐久が当時神女として崇められていた内田萬寿姫の進言により、鵜戸神宮の分霊を地福寺の境内に迎え入れたのが始まりとされています。古くは榎原大権現と称されていましたが、明治元年に神仏分離令が出されたのちは榎原神社と改称しています。
御祭神は、鵜戸神宮と同じく天照大神(あまてらすおおみかみ)、天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、彦火瓊々杵命(ひこほににぎのみこと)、彦火々出見命(ひこほほでみのみこと)、鵜鷀草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)、神日本磐余彦命(かむやまといわれひこのみこと)の六柱が祀られています。
本殿は、県内唯一の「八ツ棟造り」で貴重な有形文化財となっているほか、寺院の境内に建てられたこともあり神仏習合の名残が色濃く、それらの有形文化財がいくつかあります。また、境内摂社に桜井神社があり、榎原神社創建を進言した女神内田萬寿姫が祀られています。

一の鳥居

みどころ

楼門(ろうもん)

榎原神社楼門は、宮崎県の有形文化財にも指定されている神仏習合の名残をとどめる古い楼門で、建立は1816年(文化13年)です。
形式は、三間一戸八脚門といい、正面三間のうち中央は参拝者用の通路、左右には仁王像を配していて、柱8本で建っている楼門です。
両脇の仁王像は、よく見ると目の色が違います。向かって左の口を閉じている「吽形像」は赤色、右側の口を開けている「阿形像」は青色をしています。また、それぞれの像の上の棚には隋神象が置かれています。
(高さ約11m、横幅約7m、奥行約4m)

楼門楼門 両脇の仁王像

鐘楼(しょうろう)

楼門をくぐるとすぐ右手に鐘楼(高さ11.41m)があります。この鐘楼も神仏習合の象徴的な建物で、建立は1842年(天保13年)、建物は下階・上階2層が対照的な造りとなっていて、細部にわたる入念な造りが県内でも数少ない貴重な建造物として県の有形文化財に指定されています。
毎年大晦日には参拝者による鐘突が行われています。

鐘楼鐘楼

龍の大繩飾り

2024年の辰年にちなんで龍に見立てた全長およそ6メートルの大縄が飾られています。
榎原地区では毎年、十五夜の日に合わせ「十五夜の大綱」という行事をおこなっていて、地域住民らが持ち寄った稲わらを編み込んで大繩を作ります。例年は長さ27メートルほどの大綱を作り、五穀豊穣などを願って奉納しますが、コロナ禍の影響により皆が集まる時間を減らしているため、現在は5mほどにとどめているということです。

龍の大繩飾り龍の大繩飾り

桜井神社

楼門をくぐり境内正面に見えてくるのが桜井神社です。本殿に劣らない存在感を放つ桜井神社には、榎原神社の創建を進言した女神内田萬寿姫が祀られています。
萬寿姫は、21歳の時に鵜戸山参りをした後に神女となったと言われ、数多くの霊験を顕わしています。なかでも世継ぎができない藩主伊藤祐久が萬寿姫の助言で子を授かったことは広く知られるきっかけとなりました。
わすか50歳で病没しますが、その後も人々の信仰は篤く、昭和30年頃までは宮崎市内から参拝のための貸し切りバスが出るほどの賑わいだったそうです。
婚姻の相談を萬寿姫にもちかけ、その進言に従えば良縁に恵まれたことから内田萬寿姫は縁結びの神としても有名です。

桜井神社社殿桜井神社社殿

桜井神社の社殿には珍しい伊勢海老の彫刻が施されています。

伊勢海老の彫刻伊勢海老の彫刻

桜井神社右手(榎原神社本殿左手)にある霊社でも萬寿姫が祀られています。

萬寿姫霊社萬寿姫霊社

御神水お清め所

桜井神社に向かって左脇奥にあります。この場所は神女内田萬寿姫がみそぎをおこなった場所と伝わっており、清浄な空間で病などの災い事を「禊札」に移して御神水で清めます。日々の生活を送るうえで知らず知らずのうちに触れてしまう罪穢れまたは災難・病などの災い事をお札に移して清めます。初穂料は300円です。
<手順>
①右横の箱にある「幸袋」から「厄・病・災」と書かれた「禊札」を取り出します。
②体の気になる場所を「禊札」で撫でて三度息を吹きかけます。
③「禊札」を御神水に浮かべ一拍手して祈願します。
④「幸袋」には、その日引いたおみくじが凶運だった場合、良運へ好転するよう祈願されているので大切にお持ちください。

御神水お清め所御神水お清め所

「歯の神様」地福寺開僧精能の墓石

境内脇から裏手を回るように遊歩道があり、その入り口にある墓石です。
精能は、神社創建前にあった地福寺の開僧で、内田満寿姫に神霊が顕われた際に祈祷をおこなった僧です。
墓石手前にある顔の石像は、歯痛に悩む人々の深い信仰の対象として安置されたもので「歯の神様」として親しまれています。

地福寺開僧精能の墓地福寺開僧精能の墓

御神木の夫婦楠

縁結びのパワースポットとして知られる榎原神社の御神木の「夫婦楠」です。樹齢600年と伝わっていて、左手前にあるのが男楠(幹回り8m、高さ40m)、右奥にあるのが女楠(幹回り7.5m、高さ38m)です。
ひとつの根から2本伸びる夫婦杉とは違い離れた場所から生えている楠ですが、伸びた先では寄り添うようにそびえる御神木の夫婦楠です。

夫婦楠(男楠)夫婦楠(男楠) 夫婦楠(女楠)夫婦楠(女楠)

御神木 結びの木

「縁結びの木」「夫婦の木」と呼ばれている御神木です。この木は2本の異なる木(エノキとイヌマキ)が寄り添い巻きつくようにして1本の木を形成していて、その姿が仲の良い夫婦を思わせる結びの木となっています。

縁結びの木縁結びの木

長寿のソテツ

本殿裏手に広がるソテツの庭園です。長寿のソテツはその重さで地を這うように生えていて、その曲がりくねった姿が、須佐之男命(すさのおのみこと)が退治した八岐大蛇(やまたのおろち)を想像させます。

長寿のソテツ長寿のソテツ

宝物館

本殿裏手にある資料館です。神社に伝わる古文、冠等が90点ほど展示・保管されています。万寿姫が使った桧扇・神鏡・天冠・数珠・白装束なども残されています。入場料は無料です。

宝物館宝物館

御朱印

榎原神社の御朱印です。本殿右手にある授与所でいただけます。受付時間は8時~17時で、初穂料は300円です。

榎原神社の御朱印
おすすめの御朱印帳

アクセス

国道220号線を日南市から串間市方面へ(または串間市から日南市方面へ)進みます。日南市と串間市の市境にあります。国道に面してはいませんが、地元では有名な神社で、ところどころに案内板が出ていますので迷うことはないと思います。

▲PageTop