八大龍王水神(はちだいりゅうおうすいじん)
八大龍王水神(はちだいりゅうおうすいじん)
神社の由緒
かなり歴史が古く正確な創建の年は不明ですが、古事記が編纂された西暦700年代(8世紀頃)にはすでにこの地で水神様が祀られていたという伝承が残っており、1300年以上の歴史があると言われています。
元々は、雨をもたらす水神様として祀られていましたが、近年ではスポーツ界で活躍する監督や会社経営社などが勝利や成功を祈願するパワースポットとして参拝者が多くなっています。
また、八大竜王水神から車で5~6分ほどの場所にも八大竜王水神を祀る「馬生木(もうぎ)八大之宮」があり、女神(八大竜王水神)・男神(馬生木八大之宮)の対を成すと言われており、同時に参ると良いとされています。
八大龍王とは
八大龍王は、八部衆のひとつ龍衆に所属する八王(難陀龍王・跋難陀龍王・娑伽羅龍王・和修吉龍王・徳叉迦龍王・阿那婆達多龍王・摩那斯龍王・優鉢羅龍王)の総称で、お釈迦様の眷属として仏法を守る神様です。
龍衆は「龍」、「龍王」などと呼ばれる種族の総称で、水中に棲み雲や雨をもたらす水神様です。仏教では法華経に登場し、諸天・諸菩薩と共に釈迦の教えに耳を傾け、「覚り」を超える「無上正等正覚」を得て、護法の神となっています。
農耕が主である日本では昔から雨乞いの神様として祀られ、全国に神社や祠があります。
みどころ
本殿
八大竜王水神は仏法を守護する神として祀られているので、ロウソクや線香と言った仏具が供えられているのが特徴的です。また、参拝をする際はお酒と卵と線香をお供えするというのもめずらしいです。
本殿に卵をお供えするのは、龍神様を蛇としてとらえているという説と、九頭龍大神伝説が影響していると考えられ、どちらも卵が大好物ということでお供えされるようになったと思われます。
宮崎県では、西都市にある「速川神社」の竜神様にも卵をお供えする風習が残っています。
卵とお酒は準備しないといけませんが、線香は参拝者用にライターとともに備えられています。
御神木の榎(エノキ)
神社境内入り口に八竜が宿ったような御神木のエノキが圧倒的な存在感を放ちそびえ立っています。太い幹から四方八方へ龍が飛び立つ様はまさに八大竜王水神様が宿る御神木として、不思議な力を放っています。
御神木のエノキは樹齢500年ともいわれ、多くの参拝者が幹に触れその偉大なパワーを受け取っています。
御神木の龍の彫物
本殿前に龍が天に昇るようにせり出したもう一本の御神木のタブノキがありましたが、木が弱り根元から切り落とされています。そこに祠を立て龍の彫刻を施し、切り株の中から龍が飛び立つ姿として新たに御神木を祀っています。
境内井戸の御神水
境内参道脇にある井戸から湧き出る御神水です。竜神様のパワーを蓄えた青く澄んだ水は、飲用として汲み帰る人や硬貨などを洗う人など様々なようです。
汲み方は、備えつけられているバケツを井戸の中に沈めて水をくみ上げます。飲用として持ち帰る方のために濾し網の付いたじょうごが準備されています。
古井戸の御神水
鳥居横の駐車場の奥には古来の古井戸の水が流れ出る祠があります。境内のものより古く水量は少ないものの長い間枯れたことがないそうです。
古井戸はちょっとわかりにくいですが、祠の右手の藪の中にあります。駐車場を出た参道の脇から入ることができます。
石社
本堂の裏には古来の拝殿である石社があります。本堂の右手に行くと写真のようにロープが張られています。立ち入り禁止のように見えますが、公式のホームページには「実際に足を運んでご覧ください」と書かれていて、ロープを越えて行けば裏手に回ることができます。
※ただし、撮影は禁止となっていますのでご注意ください。
龍の絵
御神木のエノキの下に無人の社務所があります。そこにはいくつかの龍神様の絵が奉納されています。
その他にも元横綱の千代の富士関などプロスポーツ関係者の写真もたくさん飾ってあります。千代の富士はここへ参拝した後に横綱になったという話が残っています。
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御朱印
残念ながら御朱印はありません。無人の社務所にお札やお守りが置かれた授与所があります。
神社の概要
住 所:宮崎県西臼杵郡高千穂町大字岩戸6521
電 話:
御 際 神:八大龍王水神を祀る
御 神 徳:五穀豊穣・願望成就
創 建:不詳
アクセス
国道218号線から県道7号線を天岩戸神社方面へ進みます。天岩戸神社前を右折して岩戸川を越えて3分ほど進んでいくと、田んぼ道が弧を描くようにカーブしている場所に灯篭や石碑で八大竜王水神の案内があります。そこを右折して道なりに進んで行くと鳥居が出てきます。駐車場は鳥居の横です。