白鳥神社(しらとりじんじゃ)
白鳥神社(しらとりじんじゃ)
神社の由緒
創建は村上天皇の御代、京都の天台宗の僧侶性空が霧島山で修行中にお経を唱えていたところ、老翁が現れ「我は日本武尊(ヤマトタケルノミコト)なり。白鳥となってこの山に棲むこと久し。いま汝の読経に感応して身を現すなり。」「ここに神社を創建せよ」と告げ白鳥となって飛び立ったそうです。これにより性空上人は白鳥山の北中腹に日本武尊を御祭神とする白鳥権現社を西暦959年(天徳3年)に創建したと伝わっています。また、白鳥神社を霧島六社権現の1社に数えるという文献もあります。
建物は現在の白鳥温泉上湯付近に創建されていましたが、霧島山の度重なる噴火に伴い室町時代の応永年間にこの地へ遷移されています。その後江戸時代末期の1809年(文化6年)に火災で焼失し、本殿遥拝の雲龍巻柱以外は1935年(昭和10年)に再建されたものです。
みどころ
御祭神日本武尊の像
御祭神の日本武尊は、大和朝廷の全国統一のため父である景行天皇を助け、西の熊襲(くまそ:熊本県南部から鹿児島県北部の一帯)、東の蝦夷(えみし)を討伐した武人で、武神・軍神として崇敬されている神様です。
白鳥神社にある日本武尊像は、国内に数少ない石像彫刻師の吉田満氏とその技術を伝授した平井親志氏によるもので、平成25年11月に完成したものです。吉田氏は御尊像の完成を見届けた約半年後に逝去されましたが、その優しい人柄が映し出された御尊像は参拝する人々の心を癒し続けています。
前神社
白鳥神社の本殿脇に対である末社です。御祭神は瓊瓊杵尊の天孫に随行した神様で、本殿から見て左手が「豊磐間戸神」、右手が「櫛磐間戸神」です。古事記では別名ですが同神とされています。
共に「門守の神」と言われ、神社内に悪神や邪気が入らないよう守護する神様です。御祭神と参拝者との間を取り持つ御神徳があるので、本殿を参拝する前にお参りするとよいそうです。
御神木 衛守杉(えもりすぎ)
もともとは夫婦杉と称していた樹齢約500年の御神木ですが、令和4年の台風で片方の1本が倒木してしまいました。残された1本も根元に亀裂や断裂があり倒木の危険がありましたが、多くの方の寄付により治療を受け、現在は新しい根が出るなど順調に回復しているようです。
残った御神木の杉は、これからも神社を護り、樹自らも守られるようにとの願いを込めて「衛守杉」と命名されました。
御神木 家族杉
本殿の脇には衛守杉とは別に「家族杉」と称される5本の杉が御神木として祀られています。
旧海軍奉納 砲弾
日清戦争(1894年~1895年)時に軍艦に使用されていた砲弾で、武運長久を祈願して白鳥神社へ奉納されたものだそうです。重さは約18kgほどありますが、持ち上げることができれば御神徳を賜ることができると伝わっています。
開山 性空上人の御堂
石像と木造の二体の性空上人像が奉納されている御堂です。二体の像は「郷土の歴史文化を伝承する会」が性空上人の事跡を称え遺徳を偲ぶため制作・奉納されたものです。
木像の方は、直径80㎝の楠の大木を使い、地元の石膏細工師二ノ宮昇氏と彫刻師小野侑氏が制作したもので、石像の方は、重さ2トンの石を使い人吉市の石材彫刻師吉田満氏によって制作されたものです。
阿吽の仁王像
白鳥神社は明治時代の廃仏毀釈まで白鳥権現社として金剛乗院満足時を別当時とする神仏習合の神社でした。その名残として仏法の守護神である金剛力士像が阿吽(あうん)一対となって神社を守護しています。
男性は口を開けた阿像、女性は口を閉じた吽像を特に祈り、自分の悪いところがあれば仁王像の同じ部分を触ると癒えるという信仰もあります。
東大寺大仏殿虹梁赤松跡
世界遺産にも登録されている世界最大の木造建築の東大寺大仏殿の大屋根を支えている大虹梁は、白鳥神社境内より伐採された二本の赤松です。いずれも樹齢2000年を超える古木で、伐採するのにきこり90人の手で4日間もかかったそうです。
1709年(宝永6年)に大仏殿落成供養がおこなわれ、現在に至るまで白鳥巨松は虹梁として東大寺大仏殿を支え続けています。
御神木 白鳥巨木
白鳥神社一の鳥居脇に高くそびえる日本の大杉で、樹齢は不詳ですが直径1.4メートル、幹回り4.44メートルの巨木です。岩倉覚然坊という修行僧が屋久島の杉の苗を取り寄せ植樹したと伝わっていて、今では御神木として崇敬されています。
白鳥神社へ参拝する際は、二百十段ある石段が大変ですが、この白鳥巨木のある一の鳥居から参拝されることをおすすめします。
御朱印
御朱印は神社の社務所で書置きがいただけます。日付は自分で入れます。初穂料は300円です。
おしゃれでリーズナブルなおすすめの御朱印帳
神社の御朱印を集めてみませんか。御朱印帳に御朱印を集めていくと、旅のちょっとした日記としての役割もありますし、神様のご加護がいただけるお守りとしての役割もあります。オシャレでリーズナブルな御朱印をご紹介しますのでご覧になってみてください。
神社の概要
住 所:宮崎県えびの市大字末永1479番地
電 話:(0984)33-5311
御 際 神:日本武尊(やまとたけるのみこと)
御 神 徳:開運厄除、身体健固、勝負事、受験
創 建:西暦959年(天徳3年)
アクセス
えびの市内からえびの高原へ向かう県道30号線沿いにあります。高速道路の九州自動車道えびのインターチェンジからおよそ11km、車で約25分ほどの距離にあります。インターチェンジからはやや道がわかりにくいと思いますが、えびの高原を目指して県道30号線へ出れば、あとは道なりに進んで行けば道沿いにあるのですぐわかると思います。