関之尾滝と世界一の甌穴群

関之尾滝と世界一の甌穴群

関之尾滝と世界一の甌穴群

宮崎県都城市関之尾町にある幅約40m、落差約18mの大滝で日本の滝百選の一つにも数えられています。関之尾滝には加久藤カルデラ(現在のえびの市)の噴火による堆積物が自然の力で浸食されてできた「大滝」のほか人工的に作られた「男滝」と「女滝」の3つの滝があります。滝の上には世界一の規模をほこる甌穴群があり、関之尾滝と合わせた関之尾公園は人気の観光名所となっています。
また、2024年4月には人気のアウトドアショップのスノーピークが関之尾公園内にキャンプサイト「スノーピーク都城キャンプフィールド」をオープンさせ、関之尾滝一帯がさらに注目を集める人気の観光地となっています。

みどころ

関之尾公園内にある主な見どころは、3か所ある滝と大滝の上にある世界最大級の甌穴群、それらを巡る散策コース内にある上川神社、ハートの石、吊り橋、潜り橋などです。散策コースには「吊り橋コース」(写真のオレンジのライン)と「潜り橋コース」(写真の黄色いライン)があり、いずれも10分程度のコースなので行きと帰りで違うコースをたどって行くと全てが楽しめます。

関之尾公園散策MAP関之尾公園散策MAP

関之尾大滝

大淀川支流の庄内川にかかる滝で、およそ34~35万年前の加久藤カルデラから噴出した火砕流が堆積してできた大地に水が流れ長い年月をかけて浸食してできた自然の滝です。幅は約40m、落差は約18mあり日本の滝百選の一つです。
大滝は手前に架かる吊り橋から間近で見ることができ、滝つぼへ降り注ぐ轟音は臨場感を高めてくれます。特に水量が多い日には滝から立ち上がる水しぶきが吊り橋まで降りかかってくることもあります。

吊り橋から見る大滝吊り橋から見る大滝 展望所から見る大滝展望所から見る大滝

男滝(おだき)

関之尾滝には大滝のほかに男滝・女滝と合わせて3つの滝があります。自然が作り出した大滝と違い、男滝は人工的に造られた滝で、大滝に向かってすぐ右手にあります。関之尾滝の上流域には田畑に水を引く用水路がありますが、大雨などで水量が多くなった時に余分な水を逃がすために造られた「余水吐き」がこの男滝です。遊歩道の脇に男滝に流れ込む「北前用水路」があります。造られたのは明治時代で、坂元源兵衛という人物が河岸の岩盤をノミとツチだけで掘り抜いて、約10年の歳月をかけて完成させたものです。

吊り橋から見る男滝吊り橋から見る男滝

女滝(めだき)

男滝と同様に人工的に造られた滝で、男滝が余分な水を逃がす余水吐きなのに対して、女滝はこの位置から水を落とし、下にある用水路で受けて下流域の水田に水を引くために造られたものです。場所は大滝や男滝よりやや下流にあり、吊り橋からはやや見えにくいです。コースからは外れますが、別途見やすい場所に女滝展望所が設けられており遊歩道も整備されています。
男滝と女滝は切っても切れない一対の滝として昔から縁結びの願いが叶うと言われていて、恋人同士で男滝と女滝に酒を流すと必ず結ばれると言われています。

対岸から見る女滝対岸から見る女滝 北前用水路から見る女滝北前用水路から見る女滝

吊り橋

大滝の前に掛かる吊り橋です。人が歩くとゆらゆら揺れるのでちょっと怖いです。橋の歩く部分は網状になっていますが下は透けていないので、高所恐怖症の人にはちょっとだけありがたいです(笑)
橋の上からは大滝が間近で見ることができ、男滝や女滝も見えるので絶好の撮影ポイントです。ただ、大滝ばかりに目を奪われていると「いいもの」を見落としてしまいますので、ちょっと下の川の方にも目を向けてみてくださいね!

吊り橋吊り橋

ハートの石

関之尾滝ではある場所から苔に覆われたハート型の石を見ることができます。どこにあるかは内緒ですが滝ばかりに目を奪われずに下の方にもちょっと目を向けてみてください。ハートの石は、見つけることができると恋愛運がアップし恋が叶うとか…

ハートの石ハートの石

関之尾甌穴群(おうけつぐん)

大滝の上流へ上がっていくと川面に岩がゴロゴロした場所があります。何気なく見ると岩がゴロゴロしているようにしか見えませんが、実はよく見ると丸い穴で、砂粒や小石が川の流れにより大きな一つの岩を削って穴を広げていくつも作っているものです。その穴を「甌穴(おうけつ)」と言い、その規模は長さ約600m、幅約80m、穴の数は数千個にもおよび、世界一の規模とも言われています。この甌穴群は約34万年前の加久藤カルデラの噴火でできた溶結凝灰岩に水が流れ込み長い歳月をかけてできたもので、国の天然記念物にも指定されています。
こういった情報を耳に入れて改めて川を見てみると世界最大の貴重なものとして感慨深く見ることができます。

潜り橋からみる甌穴群潜り橋からみる甌穴群

潜り橋

甌穴群に架かる橋で、増水時には橋が川の下に潜ることから潜り橋(潜水橋・沈下橋)と呼ばれています。世界最大規模の甌穴群を間近で見ることができます。

甌穴群に架かる潜り橋甌穴群に架かる潜り橋

川上神社

今から400年前の江戸時代のころ、地元の人々が滝の下に堰を設け水田に水を引いたとき、滝の上に水神様である出水神様(デミジンサア)を祀ったことが始まりです。その後都城十八代領主の島津久理公の頃、領主から命を受けた家老の川上久隆が苦難の末、滝の上に取水口を造り周辺地域に水を引き地域を潤すことに成功します。そのことから、のちに地域の人々は川上久隆を水神様として祀るようになり川上神社の由来となっています。
その後も前述した坂元源兵衛やその意思を継いでさらに広い地域への通水を成功させた前田正名など偉大な先人達の功績を称え島津久理公、坂元源兵衛、前田正名の御霊を出水神様と一緒に祀ることとなりました。
現在の社殿は昭和37年に昔から水神様が祀ってあったこの場所に建立されたもので、今では商売繁盛・縁結び祈願に訪れる方が多いそうです。

川上神社川上神社

周辺の施設

スノーピーク都城キャンプフィールド

関之尾公園内にできた人気アウトドアショップのスノーピークが運営するキャンプ場です。公園内には関之尾滝を眺めながらキャンプができるサイトや隈研吾氏と共同開発したモバイルハウス「住箱―JYUBAKO」、スノーピークの県内初となる直営店やレストラン・カフェなど関之尾公園再開発の目玉となる施設がたくさん入っています。
キャンプでの利用はもちろん、食事やショッピングなどキャンプをしない方も楽しく立ち寄れる施設となっています。

Snow Peak MIYAKONOJO/スノーピーク都城Snow Peak MIYAKONOJO/スノーピーク都城

Snow Peak Cafe/スノーピークカフェ

関之尾滝駐車場の横(旧滝の駅せきのおの場所)にはスノーピークが運営する「Snow Peak Cafe/スノーピークカフェ」があります。店内カウンター席や外のウッドデッキからは緑に囲まれたロケーションが一望でき、お店で作る揚げたてのドーナツや地元都城産や県産のフルーツを使ったソフトドリンクなどを楽しむことができます。
関之尾滝を散策してひと汗かいた後は甘いスイーツやオリジナルドリンクで一息ついてください。

Snow Peak Cafe/スノーピークカフェSnow Peak Cafe/スノーピークカフェ

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施設の概要

営業時間:定められた時間は無し
定 休 日:なし
住  所:都城市関之尾町6843-20
電  話:0986-38-2460(都城観光協会)
駐 車 場:公園内に250台

アクセス

都城市と霧島山を結ぶ県道31号線(霧島バードライン)を霧島方面へ向かって走り、途中の県道107号堤庄内線へ入ったところにあります。宮崎自動車道都城ICから約13km、車で約25分です。霧島方面からは県道31号線を都城市方面へ向けて走り、途中の県道106号大倉田財部線へ入ったところにあります。霧島神宮から約19km、車で約25分ほどです。有名観光地なので案内看板に従って進めばわかると思います。

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