去川の大イチョウ
去川の大イチョウ
宮崎県宮崎市高岡町を走る旧薩摩街道高岡筋の関所付近に植えられた大イチョウで、1935年(昭和10年)12月24日に国の天然記念物に指定されています。
去川の大イチョウは、島津家初代当主である島津忠久(1179年~1227年)が植えたものと伝わっており、樹齢およそ800年と言われています。毎年11月下旬から12月上旬にかけては大樹全体が黄色く色づき、多くの観光客の目を楽しませています。
大イチョウの周辺は薩摩藩の街道の要衝として去川の関所が設けられた場所で、関跡や関守の二見家の住宅跡などの文化遺産も残されていますので、観光に来られた際は併せて見学してみてください。
みどころ
樹齢800年の大イチョウ
西暦1200年前後に島津家初代党首の忠久公が植えたと伝えられている大イチョウは樹齢800年と推定されており、高さが約41メートル、幹回りが約10メートル、枝張りは東に6メートル、西に7メートル、南に9メートル、北に15メートルもある大樹です。太い枝が少なく空に向かって大きく伸びているのが去川の大イチョウの特徴です。
1992年(平成4年)に「みやざきの巨樹百選」にも認定されており、所有者は江戸時代に去川関所の御定番を勤めた二見家です。
去川の大イチョウが色づくのは毎年11月下旬から12月上旬頃です。大樹全体が黄色く色づく景観は圧巻で、その見事な姿を見ようと多くの人が訪れます。
黄色く色づいた木も見事ですが足元に目をやると、落ちた葉で根元が埋め尽くされ、黄色く染まっているのも美しいです。まるで黄色い絨毯を広げたようです。
ライトアップ
大イチョウが色づくころになると、夜間にライトアップが行われます。点灯されるのは日没から20時までです。ライトアップは行われない年もありますので、事前にホームページ等で確認してください。
周辺の施設
去川の関跡
去川の大イチョウの周辺は薩摩街道の要衝として関所が設けられていました。薩摩街道は、鹿児島県から都城、去川の関を越えて佐土原に至る街道で、去川関所周辺は高岡筋と呼ばれていました。江戸時代薩摩藩島津氏は藩の情報が漏れることを警戒し、関所の監視を厳しくしていたそうです。
去川の関所がある高岡筋は、江戸時代に参勤交代や領内巡視で数十回利用され、幕末には勤王の志士、明治時代には西郷さんを慕う若者たちが走り抜けていたそうです。
「去川の関跡」は昭和8年12月5日に宮崎県の指定史跡となっています。
旧二見家住宅
二見家は、去川の関所の御定番(ごじょうばん)を勤めた家で、関所が設置された天正年間(1573年~1591年)以降、代々この地に居住していました。同家に残る古文書によると住宅は「去川御仮屋」と呼ばれ、薩摩藩の役所として機能していたそうです。また、街道を通る上級身分者の宿泊や休憩の場としても利用されていて、薩摩藩主の島津斉彬や岩倉具視もここへ立ち寄っています。
住宅は「二棟造り」と呼ばれる建築様式で、来客用の「座敷棟」とプライベートの居住空間である「居室棟」に分かれているのが特徴で、南九州の民家に良く見られる建築様式だそうです。
旧二見家住宅は平成30年2月26日に宮崎県の有形文化財に指定されています。
施設の概要
営業時間:自由見学
定 休 日:自由見学
住 所:宮崎市高岡町内山3704ー1
電 話:
駐 車 場:有(10台ほど)※紅葉時期は進入禁止となり臨時駐車場を利用
アクセス
宮崎市方面から都城市へ向かう国道10号線から左へ少し入ったところです。入り口の国道10号線上に大きな看板がありますので見落とさないよう気を付けてください。左折したら300mほど道なりに進むとあります。紅葉時期は大イチョウから100mほど手前に臨時駐車場が設けられますので、そこに駐車してから徒歩で向かいます。