蛇王神社(じゃおうじんじゃ)
蛇王神社(じゃおうじんじゃ)
神社の由緒
蛇王神社は大蛇が祀られている神社で、1369年(正平24年)に野辺盛房により蛇王権現として創建されたと伝わっています。
1334年(建武元年)に武蔵の国より櫛間院地頭職として着任した野辺久盛の任務は在地勢力である土豪の平定でした。ある時、土豪との戦いで敵に追われた久盛がこの地の洞穴に逃げ込もうとしたところ奥から大蛇が現れたので、「敵から追われているのでかくまってほしい。もし、土豪を平定することができたらここに社を建ててお祀りします。」と頼むと、大蛇は道を開けてくれました。やがて敵の土豪が追ってきましたが、洞穴の入り口で大蛇がとぐろを巻いて大きな口を開けて睨んでいるので、あきらめて引き上げたそうです。
その後、久盛はみごと串間を平定し、この地に約束通り社を建てて大蛇を祀り、久盛の孫にあたる野辺盛房が蛇王権現を建立したということです。
みどころ
大蛇を祀る本殿
蛇王神社は全国でも珍しい大蛇が祀られる神社です。一般的な神社では拝殿前でお参りをしますが、蛇王神社は拝殿に上がり奥に進んで本殿の前でお参りをします。神社入り口の鳥居や拝殿、本殿には大蛇を思わせる太く長いしめ縄が巻かれています。
本殿裏の洞窟
社殿の奥には左右2つの洞穴があり、向かって右側の洞穴は高さ3m、幅5m、奥行30mあり、左側の洞穴は高さ2m、幅4m奥行40mあります。
下の写真の向かって右側の洞穴は奥が外に抜けており、外から入ってくる光がとても神々しく、神秘的な雰囲気を出しています。また、洞窟の中から入り口を振り返ると、その向こうに本殿が力強く建っているのを見ることができます。
本殿裏の左側の洞窟
向かって左側の洞穴は奥が行き止まりになっていますが、その奥には御神体の大蛇が潜んでいるような雰囲気があり、洞穴の中の神域に入るものを拒むような神的パワーで結界が張られているような感じがします。
摂社
社殿に向かって右側にある摂社です。神棚には鯱(しゃち)ほこが置かれています。鯱は、姿が魚で頭は虎、尾ひれは常に空を向き、背中には幾重もの鋭いとげを持っているという想像上の動物で、よく城や寺院などの屋根に取り付けられています。鯱は火除けの守り神として知られ、口から水を吐いて火を消すと信じられていることから、地域の火除けの守り神として祀られているのではないかと思われます。
磐座
社殿や洞穴の周囲には、しめ縄が巻かれた岩がいくつもあります。おそらく、社殿が建てられる前は洞穴そのものや岩が御神体として祀られていた磐座信仰の名残ではないかと思われます。祭りのときに神を招く際の依り代とされていたと思われます。
磐座信仰は縄文時代からあるとされており、宮崎にも多くの磐座信仰の巨石が残っています。特に霧島連山の高千穂の峰を頂点とする北斗七星をかたどる磐座のミステリーは興味深いものがあります。
神社の概要
住 所:宮崎県串間市大字奈留
電 話:
御 際 神:大蛇が祀られる
御 神 徳:
創 建:1369年(正平24年)
アクセス
日南市と串間市を結ぶ国道220号線の奈留地区から1kmほど入った所です。非常にわかりにくい場所にあるのでGoogoleマップ等を利用して行かれた方がいいです。
国道220号線を串間市街地から日南方面へ向かう道沿いに下の写真の案内板が出ていますのでわき道に入ってください。(看板は小さいので見落とさないよう気を付けてください)
そのまま1kmほど道なりに進んで行くと、下の写真の案内板が出てきますので、そこを左折してください。(案内看板の向こう側に朱い鳥居が見えています)