平和台公園
宮崎県立平和台公園(へいわだいこうえん)
宮崎市の中心市街地の北側に位置し、都市の中心部にありながら広大な敷地に緑と自然が溢れていて、県民の憩いの場ともなっている公園です。公園は平和の塔を中心にレストハウスやはにわ館などの施設のほか、アスレチック広場や野球場などの運動広場に、池やせせらぎ水路、森林の中の展望櫓を巡るウォーキングコースなどがあり、観光客はもちろん、家族でのピクニックや学校の遠足、ちょっとしたスポーツ大会、日々のジョギングなどさまざまな用途で利用されています。
公園の敷地はとても広く、駐車場も第1から第4駐車場まで分かれていますので、それぞれの用途に合わせて利用する駐車場を選んでください。
施設の案内
平和の塔
平和の塔は、初代神武天皇のご即位から2600年にあたる1940年(昭和15年)に「紀元2600年記念事業」の一つとして建設されたものです。塔は高さ36.4mあり、設計は日本サッカー協会の八咫烏をデザインした彫刻家の日名子実三氏によるもので、塔の正面には、秩父宮雍仁親王の直筆による「八紘一宇」(はっこういちう)の文字が刻まれ、周囲の四隅には信楽焼で造られた高さ4.5m像が置かれています。
第二次世界大戦の敗戦後に、「八紘一宇」の文字が世界統一を意味していると解釈されることから、GHQの命により武人の象徴である荒御魂像と共に撤去させられましたが、1962年に荒御魂像、1965年に「八紘一宇」の文字が復元されています。これらの復元にあたって、復元を主唱した当時の県観光協会会長の岩切章太郎のもとに、革新政党や労働組合が抗議に訪れましたが、「日名子の芸術作品だから元に戻すのが当然」と追い返したそうです。
1964年(昭和39年)の東京オリンピックでは、聖火リレーのスタート地点となり、オリンピックが掲げる世界平和の精神と「八紘一宇」が同義であるとの意見が広がり、その後は平和のシンボルとして県民に親しまれるようになっています。
四方に配置された塔を守る四魂像は、塔の正面左手前(写真では一番左)が武人を象徴する「荒御魂像」(あらみたま)、塔の左手後方(写真では左から2番目)が漁人を象徴する「奇御魂像」(くしみたま)、塔の右手後方(写真では右から2番目)が農人を象徴する「幸御魂像」(さちみたま)、塔の正面右手前(写真では一番右)が工人を象徴する「和御魂像」(にぎみたま)です。
塔の裏側に回ると塔に上がる階段があります。階段を上って塔の正面へ来ると宮崎市内が一望でき、遠くには日向灘も眺めることができます。展望所が利用できるのは9時~16時の間です。
平和の塔の前の広場の中央に八角形の石が敷いてあります。この石の上にのって手を打つと叩いた音が塔に反響して、「ビーン」という音がします。
平和の塔がある広場の入り口には家型のはにわを思わせる造りの手水舎があります。水が汲まれる大きな一枚岩は、神武天皇の御船出の地といわれる美々津の上流より搬出されたもので、岩の横側に「美々津」の文字が確認できます。
はにわ館
平和の塔がある広場の北側から少し下ったところにあります。全国から集められた埴輪のレプリカや、平和の塔に関する情報、宮崎県内の古墳の情報などいろいろな展示物が毎月入れ替わりで展示されています。
現在は、建物の老朽化に伴いはにわ館は閉鎖されていて、仮の展示場がレストハウスの2階に設けられています。今後、はにわ館の建て直しを行うかなどについては協議中とのことです。
はにわ園
はにわ館の周辺のはにわ園には、特別史跡公園西都原古墳群から出土した重要文化財の「船形はにわ」や「子持家型はにわ」など400基ほどのレプリカが展示されています。園内を順路に従って見ていくと、埴輪を解説したボードを見ながら回覧することができます。
はにわ園には木造の「はにわはし」が架かっていて、これを渡って階段を下っていくと、越ヶ迫池やせせらぎ水路がある広場に出ます。
こども広場
はにわ館の奥には小さな子供が遊べるちょっとした遊具広場があります。平和台公園にはアスレチック広場などさまざまな遊具広場がありますが、ここは木陰で遊べる場所なので、夏場はおすすめです。
ただ、近くにはにわ園があり、薄暗くてちょっと不気味な感じがするので、小さな子どもは怖がるかもしれません(笑)
前方後円墳(下北方古墳第13号)
平和の塔の裏には、公園マップにも記載されていない秘密の史跡があります。塔の裏の小道を100mほど進んで行くと、下北方古墳第13号という前方後円墳があります。林の中のちょっと開けた場所にベンチと史跡を示す石碑が建っているだけなので、興味がある方は行ってみてください。行きはあまり分かりませんが、帰り道は意識しながら見ると前方後円墳の形がよくわかります。
せせらぎ水路
平和の塔がある広場から階段をずっと下の方におりていくと広場に出ます。その広場に流れる小さな水路がせせらぎ水路です。小さな生物や植物が棲息する自然豊かな環境で、とても宮崎市の中心部とは思えない自然に満ち溢れた場所です。
この水路付近では、5月中旬~下旬になるとホタルの乱舞を楽しむことができます。観賞できるのは、ヒメボタルとゲンジボタルです。ヒメボタルは個体の小さなホタルで、小さな光が小刻みに点滅するのが特徴です。棲息場所は水辺よりも林の草陰を好み、その光が点滅する様はまるでイルミネーションのようで、とても幻想的です。反対にゲンジボタルは緩やかな点滅とともに水路周辺を優雅に飛び回ります。この2種類のホタルによる幻想的な光のショーが市街地から車でわずか10~15分の場所で楽しめるので、この季節にはぜひ足を運んでみてください。
越ヶ迫池と新池
せせらぎ水路がある池畔広場の横には大きな池があり、周囲には遊歩道が設けられていて周遊できるウォーキングコースとなっています。また、池の中央部分には池を二分する橋のような通路があり、せせらぎ水路側の池が「越ヶ迫池」(写真左側)で、反対側の池が「新池」です。秋には紅葉が湖面ににきれいに映るようです。
展望台
平和台公園にはいくつかのウォーキングコースが設けられています。池を周遊するコースは平坦コースで、その他にも山道を歩く山間コースや起伏コースなどがあります。山道を歩くコースでは、その途中にいくつかの展望台があり、ウォーキングをしながら休憩や眺めを楽しむことができるようになっています。写真の第1展望台からは宮崎市と日向灘が一望できます。
アスレチック広場
池畔広場からさらに北側へ行くと大規模な遊具広場があり、スリリング城・クライムウォール・フライングレンジャーなどがあるアスレチック広場や全長32m、幅10mの人工芝でできた草スキー場などがあります。休日になると多くの家族連れなどでにぎわいます。
草スキー場の利用時間は9時から17時で、小学生未満のお子様は利用できません。また、雨天時など人工芝が湿っているいる場合も利用できません。
※草スキー場にはソリは設置されていませんので、ご自身でプラスチック製のソリを準備してください。
運動広場
アスレチック広場のさらに奥には野球場など各種運動ができる広場がいくつかあり、用途によって自由に利用できます。
運動広場やアスレチック広場を利用する際は、すぐ隣にある第3駐車場に車を止めると便利です。
ひむか村の宝箱
平和台公園の第1駐車場の横にはレストハウスなどいくつかの施設があります。「ひむか村の宝箱」では、コーヒーやソフトクリームなどを提供する喫茶コーナーと小物類やオーガニック食品を販売する雑貨コーナーがあります。喫茶コーナーでは、オーガニックコーヒーや川南町のトロントロン牛乳で造るミルクソフトクリームなど素材にこだわったものを提供しています。雑貨コーナーでは、県内アーティストや地元工芸作家さんの作品などが販売されています。営業時間は10時~17時で、定休日は月曜日です。(祝日の場合はOPEN)
オーガニックレストランsizen
レストハウスの建物に入るビュッフェスタイルのレストラン「オーガニックレストランSizen」は、有機・無農薬の食材を中心とした料理を提供する自然派レストランで、調味料などにもこだわっています。ビュッフェでは、約20種類の料理と15種類のドリンクが提供されます。
料金は大人2200円、シルバー2000円、4歳~小学生1300円で、月・火曜日が定休日(祝日の場合は営業)となっています。営業時間は、11時~15時半で、土日祝日は17時半~21時もやっています。
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施設の概要
住 所:宮崎県宮崎市下北方町越ケ迫6146
電 話:(平和台公園管理事務所)0985-35-3181
駐 車 場:※下記時間を過ぎると施錠されるのでご注意ください
第1駐車場:5:00~22:00
第2駐車場;8:30~17:00
第3駐車場:5:00~20:00
第4駐車場:年中開放
アクセス
JR宮崎駅や繁華街がある宮崎市の中心部から西(小林方面)へ向かう国道10号線を、宮崎県立宮崎病院がある交差点から平和台線へ入り、北へ3kmほど道なりに進むと到着します。日向・延岡方面からは、国道10号線を、南花ヶ島町付近の交差点から綾・国富方面へ向かって進んで行くと、途中に道路案内が出ているのですぐにわかると思います。